バイエルンに4年間在籍したドイツ代表マリオゴメスの、フィオレンティーナへの移籍が決まった。10-11にはリーグ得点王を獲得し、不動のレギュラーとして活躍してきたが、12-13シーズンには、移籍してきたマンジュキッチにスタメンを奪われた。しかし、途中出場においてもその優れた得点力を発揮し、バイエルンがCLを勝ちぬきつつリーグでも他を圧倒した力の一端を担った。また、昨季体制のラストマッチとなるドイツカップ決勝での物語として優れた活躍は以前も述べたところである。
基本的に「試合には入らずゴールだけを決める」という特徴ゆえに、監督がペップに交代した来季にはますます出番はないだろう。また、マンジュキッチだけでなくゲッツェもバイエルン入りしており、明らかにマリオが多すぎた。したがって移籍はやむを得ない。彼のイタリアでの活躍を期待したい。セリエの試合は、長友が出ているインテルの試合をたまに観るくらいだが、来季はもしかしたらさらに一人日本人も…。いずれにせよ、フィオレンティーナは昨季4位という高順位で終えている。マリオゴメスはセリエを盛り上げる人材となりうるだろう。
それとは逆に、チアゴ・アルカンタラがバルセロナからバイエルンに移籍してきた。監督の熱烈な希望であったことから、プレシーズンマッチの多くで起用されている。
プレシーズンマッチは多く行われたが、7/20.21に行われたテレコムカップ(4チームの大会である。30分ハーフという変則的な試合が行われる。)を取り上げよう。新体制で初のブンデス1部所属チーム同士の対戦となるので、プレシーズンマッチの中では比較的重要度が高めの試合となる。参加チームは、バイエルン、ハンブルガーSV、ボルシアMG、ドルトムントの4チーム。
バイエルンは、1戦目ハンブルガーSVを4-0で下した。そして、翌日ドルトムントを下したボルシアMGを5-1で制し、優勝している(意外にもバイエルンはこれがテレコムカップ初優勝だそうだ)。30分ハーフにおいてもこの得点力…。中日のない連戦であるにも関わらずこの得点力…。そして得点者に偏りがないところが恐ろしい。この大会においても、チアゴは中盤の底で効果的な動きを見せ、ボルシアMG戦では移籍後初ゴールを記録している。もっとも、アンカーでの起用は守備面で不評であるようだ。ただし、ミュラーがCF起用され、ラ―ムが中盤起用されるなどしており、フォーメーションは定まっていないようである。実際、ペップはボルシア戦の後半、チアゴのパスミスを見かね、クロースとその位置を入れ替えている。ちなみに、クロースの怪我でスタメンに舞い戻り、そのまま好調を維持しているロッベンは、ペップの就任が決まった際に退団濃厚と噂されていたが、新体制でも場所を得られそうだ。
そんなバイエルンであるが、7/27に行われたドイツ・スーパーカップでは、ドルトムントに敗れている(以前も述べた)。ここでもチアゴのアンカー起用は不評だった(あれ、やはりしつこくアンカー起用されているな…)。このドルトムントの勝利は、リーグ全体において良い結果であろう。ブンデスリーガをつまらないリーグにさせないためにも、対抗馬であるドルトムント(移籍についていえば、若手ドイツ代表のライトナーについて、契約を4年延長しつつシュトゥットガルトに2年間の期限付き移籍をさせた)とシャルケの活躍に期待したい。
★プレミアリーグ
また新たなベルギー代表がプレミア入りした。トゥエンテからシャドリがスパーズに移籍。スパーズについては以前も述べた。プレミアの移籍が大きく動くのは8月になるだろうか。
そして、マンチェスターユナイテッド・アーセナルが来日した。
ユナイテッドはマリノスとセレッソと対戦した(テレビ東京でサッカーを観たのは初めてかもしれない)。
スタジアムにおけるチャントについて「マンU」という略称を使用すべきでない(侮蔑的な意味が含まれている)という注意が周知されていたようだ。これは香川が加入したときにも周知の動きがあったが、それでもこの略称はなかなかなくならない。その理由はおそらく代替案がないことにあろう。大手メディアや選手が略称を名付けて固定されることを願いたい。例えば「マンユナ」というのもあり得るだろう。しかし強い違和感があることはできない。「マンU」に慣れており、また、マンチェスターシティは問題なくマンCであることも影響しているだろう。なんにせよ、早々に変更し、慣れるほかないだろう。
試合については、セレッソの南野くんが世界に見つかったことくらいが特筆すべき点だろう。素晴らしい動きをみせ、優れたゴールを決めた。試合中にTwitterでMinaminoと検索したら、賛辞の声が多くみられた。「Minamino - reckon that'll be a name to remember...」というのが印象的だった。
アーセナルはグランパスとレッズと対戦している。
試合は都内で中継されておらず、ハイライトしか見れていない。試合外では、アーセナルの錚々たる面々が日本を楽しんでいる様が動画や画像を通じて伝えられてきた。相撲を観戦したり、ノリノリで侍の格好をしたり(ポドルスキとメルテザッカー)、寿司職人となったり(アルテタとサニャ)と、興味深かった。日本を楽しんでもらえたことが単純に嬉しい。また、グランパス戦は、ベンゲルが名古屋に帰還してグランパスと対戦するというのも物語として優れていた(ベンゲルは95-96、96-97のシーズン途中までグランパスで監督をしていた。そのとき、選手として現グランパス監督のピクシーはベンゲルに指導されていた)。
とはいえ、アーセナルのアジアツアーで最も話題をさらったのは一人のベトナム人だった。彼は選手の乗ったバスに8キロも並走し、最後にはバスに招き入れられサインや写真撮影をするという栄誉を勝ち取っている。
「The Running Man - Arsenal Tour 2013」
素晴らしい映像。「Sign Him Up!」の合唱。