2013年8月28日水曜日

トットナム入門2のこと

前回の「トットナム入門のこと」という記事のアクセスが非常に高いので第二弾。

★★★

前回は、中盤のデンベレ、サンドロ、レノン、CFのデフォー、アデバヨール、そしてSBのウォ―カーの紹介をした。

トットナムは今夏大きな補強を行っている。
その一つとして、3000万ユーロでのスペイン代表ソルダードバレンシアからの加入がある。
02年からそのプロとしてのキャリアを開始した彼の初の海外リーグの挑戦だ。

8/27付けの記事によると、ソルダードはアーセナルとの北ロンドンダービーを楽しみにしているそうだ。

プレミアリーグではロンドンを本拠とするチームが多数ある。
トットナムもその一つであるが、他にアーセナル、チェルシー、フルハム、ウェストハムがある。
また、04-05シーズン以来に今季プレミアに昇格したクリスタル・パレスFCもその一つとなる。
ロンドンダービーといえば、チェルシーとアーセナルの試合が華々しく喧伝されるが、北ロンドンの狭い地域に焦点をあて、隣町ということを重視すると、トットナム対アーセナルこそ真のダービーということになる。

トットナムの本拠ホワイトハートレーンと、アーセナルの本拠エミレーツスタジアムの距離は、日本でいうと渋谷-新宿間より若干遠く、渋谷-池袋間より短いといった程度しか離れていない。山手線でいえば10分程度の距離である。
(アーセナルは06年7月からエミレーツスタジアムを使用している。それまでアーセナルが使用していたハイバリースタジアムとは1マイル程度しか離れておらず、移転後も変わらずトットナムとは近隣となっている。)

また、この北ロンドンダービーは距離的な近さのみならず、歴史的にもその重みがある。

サポーター同士のライバル意識も他のロンドンチームのサポーター間よりも強いと言われるが、その因縁は1913年まで遡る。
トットナムは1899年から北ロンドンの地にその本拠を構えていた。一方アーセナルは、テムズ川以南のロンドン南東部ウーリッチ地区に長らく本拠を置いていた。
しかし1910年、アーセナルはその経営が破綻してしまい、ヘンリー・ノリスという人物に買収さることとなる。
その後、彼の経営への積極的な意識の発露の一つとして、1913年に北ロンドンのハイバリースタジアムへの本拠地の移転が決定された。
現在あるどのチームを想像しても実感すると思うが、本拠地の移転というのは非常に大いなる決断である。
その移転先となったハイバリーと、トットナムの本拠ホワイトハートレーンとの距離はたったの4マイル。近隣のライバルが誕生することとなった。
そして…。

…といった事情を現地の人々がどの程度詳細に把握しているかは定かではないが、とにかくこのような歴史があるのだ。

★★★

そんな北ロンドンダービーを今週末に控えるトットナムであるが、実はすでに開幕戦でロンドンダービーを行っている。

それは、第1節のクリスタル・パレス戦だ。

試合結果としては、第1節のクリスタルパレス戦も、第2節のスウォンジーシティ戦もソルダードのPKによる1-0で勝利している。

この2戦においては、以前述べたデンベレのトップ下も実現されている。今年1月に加入したホルトビーも期待したい。シャルケではラウールが去った以降、トップ下でパスを散らし、献身的な運動量を見せていた(しかしフンテラールを上手く活かすことができず、ラウールがフンテラールをブンデス得点王に仕立てたような働きはできなかった。さすがにそれは求めすぎか…)。

また、今夏加入組であるブラジル代表パウリーニョ、ベルギー代表シャドリがそれぞれスタメンで起用されている。

おナjくトゥールーズから今夏加入したばかりのフランス代表MFのカプー(カプエとも表記される)も起用され、2節にはフル出場を果たしている。

このように、トットナムは新たな選手でチームをつくり直している(おそらくベイルも抜けるでしょう)。そんな中、PKによる1点で逃げ切りという形で、開幕2連勝を成していることは非常に良いスタートだといえる。

今週末のアーセナル戦は、今シーズン初の強豪との試合であり、先に述べた北ロンドンダービーでもあることから、非常に注目に値する試合となるだろう。