2013年8月12日月曜日

シャルケ(第1節ハンブルガーSV戦)のこと

ついにブンデスリーガ13/14シーズンが開幕しました。

バイエルンは3-1でボルシアMGを下し、ドルトムントはスタメン起用されたオーバメヤンのハットトリックもあり4-0でアウグスブルクを圧倒し、2強はその力を示しています。

また、日本人は、移籍組がいきなり活躍を見せました。

ヘルタとフランクフルトの試合では細貝選手がボランチで先発出場しました。

長短のパスを散らし躍動した細貝選手の活躍もあり、ヘルタは6-1とフランクフルトをチンチンにしています。「チンチンにする」というのはいつの間にかサッカー用語みたいになっていますが、ガンバ時代の安田理大選手がよく使っていたイメージです。また、細貝選手はブンデス公式HPによるこの試合のMOMを獲得しています。

フランクフルトのGKは昨季のシャルケ戦でもとんでもないセーブを連発していたケヴィン・トラップ(ドイツ代表の第三GKでもあります)。6失点、完全に守備が崩壊しています。トラップは、ドイツ紙キッカーによる昨季のベストイレブンに、ノイアーを押さえて選ばれています(内田選手がラ―ムを押さえて選出されてしまい、本人含め微妙な反応をするほかなかったファン投票によるベストイレブンとは別のやつです)。ちなみにドイツ代表の第二GKはこのあとシャルケが対戦するハンブルガーSVのアドラーです。

そして、シャルケの試合の直前には、マインツとシュトゥットガルトの試合が行われています。

この試合で岡崎選手は、古巣相手に得点を決めました。数人に囲まれつつも中盤でボールをキープし味方に預ける岡崎。そのままゴールへ走る岡崎。ロングボールをエリア内で受ける岡崎。ザキオカターンをする岡崎。左足でDFの股下を通しゴールを決める岡崎。マインツ背番号23オカザキ。直後にCKに対しヘディングでゴールの危機を救った岡崎。オカザキ。オカザキ!オカザーキ!

この試合を見ても感じましたが、ドイツのGKの質はかなり高いです。わりと守備が崩壊めでもロースコアにとどまるのは、GKが最後に帳尻を合わせているからです。

ちなみに、この夏にシャルケからマインツへ移籍したクリストフ・モリッツ選手と、同じく今夏にドルトムントからシュツットガルトへレンタルされたモリッツ・ライトナー選手は、ともにこの試合に出場していますが、同じ時間にピッチに立つことはありませんでした。姓にも名にもなる「Moritz」の正体は掴めませんでした。


★★★

第1節、シャルケはハンブルガーSVをホームで迎えた。

昨季は11月のアウェイで3-1で敗れているが、4月末に行われたホームでの対戦ではフンテラールのハットトリックもあり4-1で下している。特段の苦手意識はない相手である。

ハンブルガーSVは、以前も述べた通り、先月、30分ハーフで行われるテレコムカップで0-4でバイエルンにボコボコにされている。

また、先月末のテストマッチで2部所属のドレスデンの対戦でも0-4で大敗している。これに関し、ロッカールームでSDのクロイツァーさんが激おこだったという情報が入っている。その記事のタイトルは『HSV強化部長:「こっちもグッチ、あっちもグッチ!」』という臨場感のあるもののだった。調整がうまくいっていないのか、それともこの説教でチーム状態が上向いたか、それは不明である。

ちなみにシャルケの昨年の第1節は、アウェーでハノーファーと2-2で分けている。



キックオフ。

試合は早々に動いた。カウンターでドラクスラーがフンテラールにパスを送る。GKの位置と体重のかけ方を見極めたフンテラールが冷静に押し込んでシャルケが先制する。

しかし、マティプのハンドによりすぐにPKで返される。PKの判断に抗議をせず悲しそうな顔をする3日前に21歳になったばかりのマティプ。キッカーはいつの間にかハンブルガーに帰っていたファンデルファールトだった。これが決まり悲しそうな顔をするマティプ…。

足を踏まれたドラクスラーは下げられ、1つ年下の18歳レオン・ゴレツカと交代。水曜のパラグアイ戦のドイツ代表メンバー21人のうちに、ドラクスラーは最年少で入っている。大事に至らなければいいが。

その交代の直後、ロングフィード。からのクロス。からのヘッド。一瞬のカウンターで再び失点。

焦る時間が続く。しかし前半終了直前、CKのチャンス。ショートコーナーを選択しクロスが上がる。これをフンテラールが押し込む。自信に満ちたオーラがある。今季はいけそうか。サライが来たことによって奮起したんですかね。フン起したんですかね。

前半が閉じられる。先制直後のPKやドラクスラーの負傷交代といったアクシデントもありつつ、前半の内に同点に返しておけたことは大きい。

後半の立ち上がり早々、ハンブルガーにCKのチャンス。これをファーで合わせられ逆転されてしまう。

CKの守備は、背の高い選手は、ニアにブロックをつくるか直接相手選手のマークにつく役割を任される。他方で背の低い選手は、ファーサイドのゴールライン上に立ち、空間を塞ぐ役割を任されることが多い。今回も内田選手はその位置にいた。ファーでマティプが競り負け、ヘディングで合わせられてしまった。ボールは内田選手とGKのヒルデブラント選手の頭上を超えていった。

ちなみに先の試合でヘディングでスーパークリアした岡崎選手もこのファーの空間を塞ぐ位置にいた。ちなみに同様の理由で、CKやFKのときに最後列中央センターラインの少し前に一人で構える役割も、内田は任されている。

ノイシュテッターに代えアダム・サライ投入。バタバタする。落ち着く。バタバタする。落ち着く。完全に引かれてしまい、なかなか崩せない。無理めな態勢での内田のフンテラールへのクロスや、遠目でのミドルの選択など、リズムに変化をつけたところでチャンスは生まれていく。

そんな中、クレメンスがミドルを放つ。シュートコースはほとんどなく、DFの人数も相手の方が上回りブロックがつくられていた。とはいえリズムに変化をつけるという点では悪くない選択であろう。しかし、やはりシュートコースはなく、シュートはGKの真正面。GKアドラーは両腕でボールをつかむ。しかしボールはこぼれる!そこをサライがつめる!押し込む!同点に持ち込むことに成功した。

シュートで終わることも大切だ。Jリーグを2連覇した監督でもある松木さんが常日頃「シュートで終わる意識!シュートで終わる意識!」とおっしゃっているように。シュート意識は、このように何かしらのアクシデントで点が入る可能性があるため、攻撃のための意識という側面もある。他方で、守備のためでもある。とりわけ前掛かりになっているときは、後ろの人数を確保するためにもシュートで終わることが必要になる。数年前から、脳内松木さんが叫ぶことが多くなった。

その後はお互いにチャンスが生じる。フクスのFK。いい感じにエリア内でこぼれた。マティプが受け取る。ゴールは目の前。シュートコースもある。ボールは左にそれる…。マティプの悲しそうな顔…。


昨年も第1節は分けた。しかしその後2連勝している。立て直すことを期待したい!


★★★

試合後、ドラクスラーの代表離脱が報じられている。全治等は不明である。心配だ。。