CLが始まっています。
CLは、まず予選の3回戦があり、この勝者を加えたチームでプレーオフを行います。
このプレーオフの勝者10チームが加わった32チームで、グループステージを戦います。
グループステージは8つのグループに4チームずつが振り分けられ争います。
各グループの1位と2位の16チームが決勝トーナメントへ進みます。
3位チームはELの決勝トーナメントへ割り込みます(ELはCLの下位互換みたいなやつです)。
そして、昨年ブンデス4位のシャルケはプレーオフからの参加となります。
(3位以上のチームはグループステージからの参加となります。)
シャルケのCLプレーオフの対戦相手は当初、ウクライナのメタリストというチームでした。
しかし、メタリストは過去の八百長関与によって、UEFA主催のクラブ大会についての出場資格を剥奪されました。
そこで、シャルケの対戦相手はこのメタリストにCL予備予選3回戦で敗戦したギリシャのPAOKに変更されています。
これが決まったのが14日。
PAOKの監督は昨年12月までシャルケの監督をしていたステフェンス監督です。運命的な再会です。
もっとも、チーム情報的には(スカウティングですね)シャルケが不利になりそうな相手であるといえます。
★★★
そして21日にシャルケのホームでファーストレグが行われました(セカンドレグは27日にPAOKのホームで行われます)。
先の試合で怪我をしたフンテラールに代わり、サライが1トップを務めました。
そして、左SHには17歳のマックス・マイアーが起用されています。
試合開始から、ほとんどシャルケがボールを保持し攻め立てていきます。
内田選手も多くの時間で高い位置をとり、左SBのフクスも高く上がる場面が多くみられました。
パス等の技術的にも明らかに実力に差が感じられます。
しかし、前半に決められた得点は1点にとどまりました。
フクスがドラクスラーに折り返し、シュート。このこぼれ球をサライがファルファンに送り、ファルファンが見事に流し込んだ。
このゴール自体は素晴らしかったです。しかし、この1点にとどまりました。
問題だと思われたのが、相手の数少ないチャンスがいずれも危険な場面となったことです。
前半にPAOKに訪れたチャンスは、非常に少なかったです。
審判に二度ほどパスカットされそうになりましたが、特段の連携ミスなくシャルケが試合を支配していました。
しかし、カウンターやCKのチャンスはどれも決められてもおかしくありませんでした。
とりわけCKの守備はそろそろやばいです。確実に弱点だと認識されています。
また、右を使って攻める場合に、内田篤人が出し所を探して止まってしまう場面がかなり見れました。
ウクライナ戦でも同様の状態で仕方なく下がり目にパスを出してカットされていましたが、この試合でもカットを受けていました。
7月28日のやべっちFCのインタビューで内田選手は、パスの出し所がないときに無理に前にいこうとしてとられてしまうことが多いことを話していました。
そのことを本田選手にも指摘された、と。「無理だったらターンを覚えろ。やりなおせ。」と言われたと話していました。
「そういうのはラ―ムとかがすごい上手いです。見てても、ボールとられそうでとられないし。」
「僕それがまだぜんぜんできないので、これからしっかりやらないと」と語っています。
おそらくこのこともあって前につっかかろうとしていないのだと思いますが、ここでのパスミスが多いのです。
これは受け手の問題なのか出し手である内田選手の問題なのかは分かりませんが、もったいなく感じてしまいます。
ラ―ムは、リズムを崩さずに縦へ速く突破しようとして(あるいは突破するフリをして)相手の陣形を乱して、突然切り返して左後方にパスを出すのが上手いです。
そんなことができたら世界最高峰のSBになってしまいますが、期待したいです。
他方で、最新号のNUMBERで語っていた「自分のところで味方を休ませたい」という意識が実現されたシーンが見られました。
もともとシャルケでは内田選手がボールを受け取って前を向くと周囲が走り出す、というシーンが見られましたが、低い位置でボールをキープしてリズムをつくっているシーンがこの試合では見られました。
ちなみに、長友選手は同じくやべっちFCのインタビューで、現状では自分より上だと思うSBとしてダニエウ・アウべス、アシュリーコール、マルセロの三人を挙げていました。
スピード、運動量、積極的な攻撃参加、といった身体的な特徴により輝くSBですね。
身体能力型のSBと技術やサッカーIQ型のSBがいて、日本代表は非常にバランスが良いです。
これを活かした戦術として、「左でつくり、右でしとめる」というものがザックジャパンでは採用されているのでしょう。
前半のボール保持率はシャルケが70%。余裕のある展開で折り返しました。
後半もボールを保持しつつも攻めあぐねていると、後半28分。やられました。
左サイドから中央に切れ込んだストフがミドルシュートを決めます。
猛然と中央にドリブルし、シュートコースのないまま右隅にミドルシュートをしとめました。
ニアに選手が走り込んでいたのでGKはゴール左隅から動くことができず、中央にもPAOKの選手は詰めていました。
確かに人数は足りていましたが、シュートを選択しそれを仕留めたストフがすごかったというほかありません。
そしてシャルケが猛攻を開始するのですが、結局決まらずアウェイゴールを取られ分けてしまいました。さらにファルファンが怪我で退場しています。
後半24分に17歳のマイアーとの交代で入った22歳のクレメンスは、随所で技術を見せつつも、焦れてかなり遠い距離からのシュートを豪快にふかしてしまうシーンを見せてしまっています。また、同点に追いつかれた後にヘーガーに替え投入されたゴレツカ。イケメンで落ち着いたプレーをしますが、チームの空気を変えるには若すぎるのかもしれません。
ドラクスラー含め、シャルケは若手ドイツ代表のホープが揃っているチームになっているのですけどね。
次は27日にギリシャでセカンドレグがあります。なんとか勝ってほしいところです。